H30年度予算・意見開陳
本日、予算特別委員会の最終日でした。
しゃべり手である1期生3人で練りに練った意見開陳…
自民党豊島区議団を代表し、意見開陳をさせていただきました
全文はちょっと長いですが…
以下となります。
【自民党豊島区議団 平成30年度予算 意見開陳】
自民党豊島区議団の藤澤愛子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
私は、自民党豊島区議団を代表いたしまして、予算特別委員会に付託されました4議案、すなわち、平成30年度一般会計予算及び3特別会計予算について、賛成の立場から意見を申し述べます。
平成30年度当初予算の規模は、一般会計と3特別会計を合計しますと1,833億8千万円となりました。この総予算の規模は、対前年度比で1.0%、18億7200万円の増となっております。
一般会計予算は、1,246億4900万円で、対前年度比79億4800万円、6.8%の増で、過去最大の予算となりました。
特別会計を見ますと、国民健康保険事業会計は、制度改革により予算の組み方に大幅な変更があったことから、対前年度比50億1400万円、13.4%の大幅な減となっています。
後期高齢者医療事業会計については、2.8%の増となっております。
また、介護保険事業会計につきましても、第7次介護保険事業計画の策定により、対前年度比12億2700万円、5.7%のマイナスの予算計上になっております。
一般会計は、先程述べたとおり、過去最大の予算規模となっておりますが、これは、投資的経費が212億600万円と前年度より73億4400万円、率にして53%の高い伸びとなったことによるものであります。これは、再開発事業や学校改築などに加え、新ホールや新区民センターの整備、池袋西口公園整備事業、電気バスなどを予算計上したことによるものです。
一方で、ふるさと納税や法人住民税の一部国税化、地方消費税の清算基準の見直しなど、豊島区にとって不利益となる財政改革により、実に39億円もの減収となっています。
このような中でも、健全な財政構造の元で財政調整基金の取り崩しを行うことなく、編成された予算でありました。
わが自民党豊島区議団は、付託された4つの会計予算につきまして、
まず、第1点目に、平成30年度予算が、将来的な区民の生活と豊島区の発展に結びつくものであるのか。
第2点目に、いかに現在の区民生活に直結しているか、また、具体的事業はどうであるのか。
さらに3点目として、これまでのわが会派の一般質問や決算・予算委員会での発言や要望の取り扱いはどうであるのか。
以上、大きく3つの視点に立ち、総論・各論、そして具体的な内容について、各委員がそれぞれの見識により質問や要望をいたしました。
総括質疑では、まず、一般会計予算が、過去最大となった理由をお聞きしました。
先ほども申しあげましたが、投資的経費が約1.5倍になったことが要因であります。今後の見通しについては、平成31年度に施設建設事業がピークを迎えるとのことでありました。
また、そのような将来に対する見込みの中、歳入環境の不確実性についても、お訪ねしたところでありますが、これについても、「オルタナティブルール」を設定し、身の丈に合った財政運営、財政調整基金残高の確保、公債費比率の抑制を行い、ルールを遵守することで、持続可能な財政運営を行っていくとのことでありました。
そして、東京オリンピック・パラリンピックが開催される、2020年に向けて、どのような豊島区を創っていかれるおつもりなのか、との私たちからの質問に対しては、高野区長から、平成31年の東アジア文化都市の開催、平成32年の東京オリンピック・パラリンピックを、区が大きく飛躍するチャンスととらえ、持続発展都市の実現に向けて、未来を切り開く投資事業を行っていく、とのご答弁がありました。
以上、平成30年度予算についての総括を述べましたが、わが自民党豊島区議団は、持続発展都市づくりと明るい未来に向けた様々な施策を、メリハリをつけて展開していただきたいと思っております。
引き続いての款別審査においては、総括質疑においてご答弁をいただいた「今後の展望」や「投資の意義」について様々伺ってまいりました。今後の課題に対する要望なども含めて、各款、各会計について意見を申し述べます。
まず、一般会計についてであります。
★はじめに、議会費・政策経営費・総務費について申し上げます。
住みたいまちランキングの捉え方について、スーモの「住みたいまちランキング」で第5位、ライフルホームズの「借りてすみたい街ランキング」で第1位となっておりますが、これは消滅可能性都市からの脱却を図り、女性にやさしいまちづくりを標榜して行ってきた、持続発展都市に向けた施策の効果であると考えます。一方で、独身女性からの評価は高いものの、経済的な事情からか定住したいと考えていただくにはまだまだ道半ばである点から、今後も魅力あふれるまちづくりに向けて邁進してください。
トイレの表示についてはバリアフリー、外国語表記などに加えて、アウティングを望まない方を含めた、あらゆる性的少数者が利用しやすいよう合理的配慮もお願いいたします。
女性にやさしいまちづくりについては、課の名称を変更するとの報告もありましたが、男女を含めた子育て世代に対して、情報発信の強化などにより、将来の定住に向けてさらに施策を進めていただくようお願いいたします。
広報につきましては、できるだけ早く時宜を捉えて発信する、その重要性は理解いたしますが、不確実な情報を発信して区民に混乱を与えないよう、手順の確認と情報の精査をお願いいたします。
災害時要援護者名簿については、災害時はもちろんのこと、平常時の見守り等にもご活用いただきたいと思います。しかし、そうした活用の中においても、くれぐれもプライバシーの保護などに関してはご留意ください。
契約については、東京都の入札制度改革の影響も踏まえ、区内・準区内業者の健全な育成にも配慮していただきたいと思います。
またプロポーザル方式の契約は、随意契約の一種である以上、公平公正な運用を要望いたします。さらに区有地の売却については「最後の手段」と考え、豊島区の発展につながる活用がなされることを期待いたします。
★次に、区民費・福祉費・衛生費について申し上げます。
まず、民泊についてですが、文化や認識の違いから現在も、外国人のゴミの出し仕方と騒音について数多くの苦情が来ています。このような苦情や事件が起きないように、適切な対策を取っていただくようお願いいたします。
不妊治療費助成については、産みたいのに産めない方に対して、子育てしやすい街、とアピールをすることにもつながります。本区において、大変に低迷している出生率は高い方が望ましいと考えられます。真に子育てしやすい、子供を産みたくなる街にしていくため、出生率向上施策についてさらなる充実をお願いいたします。
受動喫煙対策について、何処に喫煙所を設けるかという事については、しかるべき検討を行っていただきたいと思っております。受動喫煙そのものについては定量的な知見が存在しないとのことで、その線引きが難しいところではありますが、健康阻害につながる望まない受動喫煙ができる限りなくなるよう、また喫煙が違法ではない以上、喫煙者がルールを守ることで気持ちよく吸うことのできる環境作りをお願いいたします。
基幹型包括支援センターについては、各包括支援センターのレベルにバラツキが出ないよう、引き続き区の取り組みをお願いいたします。
自殺うつ予防対策については、特に39歳以下の若年層の自殺が4割と高い数字になっています。社会全体の問題として、異変に気が付いたときには、周囲が手を差し伸べられるような環境づくりをお願いいたします。
★次に、環境清掃費・都市整備費について申し上げます。
池袋西口公園については、工事費が約27億円、その内リング状のパーゴラが8,7億円と大変高額になっています。野外劇場であるが故に、通常よりもかかる見込みの点検費用やランニングコスト、雨天時のリスク対策について検討してください。また、喫煙所や騒音問題についても配慮をし、費用面を含め、区民が納得できるような計画と説明を行っていただきたいと思います。
公園トイレについては、順次改修やアートトイレの実施を行っています。引き続き、景観にも配慮しながら、清潔で誰もが利用しやすいトイレを目指して検討をしていただくようお願いいたします。
副都心移動システムについては、このシステムの導入によって、どのような価値が創出されるのか、どれほど区民利益に資するのかという点について、区の予算によって作成された車両を貸与する以上、期待に応えられるものとならなければなりませんが、どのような路線で実施するのかという肝心なところについては、まだ見えないところであります。本来であれば、本予算委員会にて明らかな答えをいただかなければ、我々も納得のできないところではありますが、2020年東京オリンピック・パラリンピックに間に合わせることが、その最大の利益につながるというご答弁をいただきました。
この「最大の利益」という点についても対象としていただきながら、導入の是非についても引き続き、慎重に検討をしていただきたいと存じます。
池袋駅案内サイン表示について、駅の中については検討が進んでおりますが、駅から出たときのサインが分かりづらくならないよう、引き続きの検討をお願いいたします。
★次に、文化商工費・子ども家庭費・教育費について申し上げます。
マンガ・アニメ関係経費について、トキワ荘復元施設建設の積算が、平成31年度までに建設費用や付属施設の建設、展示設備の導入に9億5千万円と、莫大なものとなることが明らかになりました。こちらも2020年に向けて急ピッチで進められていることから、来場者数の精緻な予測や今後の経費の予測、またこの周辺施設の活性化がどのような過程で行われていくのかも明らかにされることはありませんでした。
施設建設が区民生活や地域経済の向上につながるようなものとすべく、特定の方のみに限らない周辺区民の声に真摯に耳を傾けながら、計画や費用の圧縮を含め、検討をお願いいたします。
保育施策については、来年度も待機児童ゼロを達成するのではないかとの心強い答弁がございましたが、子供たちが健やかに成長できるよう、保育内容の向上についてもご検討をお願いしたいと思います。また、保育園の増設による待機児童ゼロ達成後は、男女を問わない育休や働き方改革など、子育てに対する根本的な課題解決に向け、努力をお願いいたします。
東アジア文化都市推進事業については、しっかりと周知を進め、気運を醸成するためにご努力をお願いいたします。
小学校における楽器更新費用については、今回の予算で改めて計上されたものでありますが、ジュニアバンドの活動が活発な学校や、マーチングバンドを授業で行う学校などもあります。30年以上使用している楽器もあることから、この更新によってさらなる教育効果が見込まれるものと期待されます。子供たちが文化に触れる、またとない機会となる予算でありますので、その効果を最大のものとしていただけるよう、実施する学校の選定や更新する楽器の選定にご尽力ください。
ひとり親家庭支援については、学習支援により就学の手助けとなっているほか、なかなか顕在化しにくい家庭の問題や、生活習慣の改善等、家庭そのものの支援につながっているとのことであります。貧困の連鎖を断ち切るべく、今後とも、より良い支援の形を求められることを要望いたします。
区内幼稚園については、保育園における保育の量・質の改善に比べてその注目度が低いと感じております。幼児教育の在り方検討委員会における検討を通じて、よりよい幼児教育の実施を区内の幼稚園において行われていくよう支援をお願いいたします。
いじめ防止対策につきましては、早期発見、早期対応に努めているとのことでした。日頃より、様々な場面においていじめの防止を行い、またデリケートな問題であるため、教師や大人が対応を間違えることのないよう慎重な対応をお願いします。
★次に、公債費については、平成30年度予定している60億円、平成31年度に予定している148億円という大規模な起債に対しても、今回新たに設定したオルタナティブルールを順守することによって、大規模な景気変動を経てもなお、健全財政が維持することができることを確認させていただきました。このオルタナティブルールの適用により、それぞれの時代に適した財政運営を行い、今後とも豊島区の持続可能な、発展につながる財政運営を行うようお願いいたします。
★特別区税については、景気回復の影響や担税能力が高い方が、豊島区に移住して来たことにより、特別区民税収が増加いたしました。たばこ税が漸減傾向にはありますが、街づくりの成功が特別区税収入の増加につながる面もございますので、そういった意味でも注視してまいりたいと思います。
★国民健康保険事業会計については、国保の広域化が平成30年度より実施されますが、国保制度の安定運営のためにも、外国人への対策等更なる収納率の向上に努めていただきたいと思います。また支払いが困難な方に対しては、生活実態を十分に把握し、きめ細かな対応をお願いするとともに、資力があるにもかかわらず、納付相談にも応じないような滞納者については毅然とした対応を要望致します。
以上、一般会計及び特別会計について、要望を含め、わが会派の意見を申し述べてまいりました。平成30年度予算は、5年連続で財政調整基金を取り崩すことなく編成するなど、財政健全化の流れを維持した予算編成であり、また様々な区民要望や区の将来的な発展に資する計画がしっかりと盛り込まれていると評価できるものであります。
しかしその一方で、投機的と言わざるを得ない投資的経費も計上された予算案でありました。質疑においても取り上げさせていただいた区の目玉事業については、投資額が膨れ上がりながらも詳細な計画やそれが区民利益にいかに反映されていくのかが、見えにくいままで実施されようとしているものも少なくないというのが率直な感想であります。
とはいえ、2020年というまたとない投資の機会が目前に迫っているのも事実であり、その機会を逃すことなく、また今後の成長に向けて無駄となってしまうような投資は避けなければなりません。
今後も、各計画と事業にどれほどの力を注ぐのか、本当に区民が望んでいることは何であるのか、その判断につきましては、区民とまたその代表である議会の声にしっかりと耳を傾け、情報開示をしながら慎重の上にも慎重を重ねて、計画を進めていただくことを強く要望いたします。
そして、チャンスを捉えた、メリハリのある投資事業の充実など、平成30年度の予算が区の将来を見据えて、大きく飛躍する予算となることを期待いたします。
以上のことから、本委員会に付託されました、平成30年度一般会計予算及び3特別会計予算については、原案のとおり可決すべきものと判断いたします。
なお、このたびの予算委員会の委員長を務められた村上宇一議員、また、副委員長を務められた島村高彦議員の、公平かつ適切な委員会運営に感謝申し上げます。
そして、私どもの事前の資料要求に、誠心誠意応えてくださった理事者の皆様に感謝御礼申し上げます。
以上で、自民党豊島区議団の意見開陳を終わります。
ご清聴、誠にありがとうございました。
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議会はまだ閉会していないので終わりではありませんが、気分的にはなかなかやりきった感じです(笑)